サウザンドネスツ/Vガン

それは哀愁であったのか、望郷であったのか私にはわからなかった。ただ悲しかった。臆病な私は心の奥底まで覗こうとはせず薄っぺらい表面をなぞりわかったふりばかりして溢れ出そうとする感情の波に飲み込まれようとしていた。
全てを打ち払う激しさの中にある悲しみに浸り、闇に飲まれ浮上することせず争いの果てに何があるのか何もないのか目を背けていた。
私にはもうこれで十分だから、だから振り向かず進んで行って。私の手を掴まないで、出来るのなら互いの手を握りしめてください。